わたしとあなたのありのまま
放課後、教室掃除を終えたクラスメートたちを、山田と二人でねぎらいの言葉と共に見送った。
「なに? お前ら付き合ってんの?」
などと茶々を入れてくる男子もいたが、
「んなわけねーだろ。
俺は面食いだ」
「私も」
と絶大な説得力を持つ主張により、難なく追い払った。
初めての共同作業である。
「で、また何かあったのか?」
教室に私たち以外誰も居なくなると、山田が口を開いた。
窓際に立ち、降りしきる雨を眺めていた私は、ゆるゆると視線を山田へ移した。
湿った空気と匂いが、やたらと不快で、山田の顔を見て、つい、顔をしかめてしまった。
「お前、感じ悪ぃ」
山田は少しムッとした。