わたしとあなたのありのまま
少しの間、沈黙が続いた。
でも、不思議と苦痛には感じなかった。
私たち二人を見守るように静かに時が刻まれている、そんな感じ。
やがて、不意に山田が口を開いた。
「なぁ、秋山」
「ん?」
呼ばれて山田を振り返った。
「俺と、付き合わないか?」
とてもびっくりした。
しばらく言葉が出なかった。
山田は今まで見たこともないような真剣な顔をしている。
その告白が、冗談ではないのだと、はっきりわかる。
「あ……え……
わたし……」
何を言ったらいいのかもわからず、でも何か言わなきゃと声を出してみるも、その先が続かなかった。