たった一人…。


彼の後ろについて、部屋のドアの前に立つ。

ドアを開ける間に私は深呼吸をする。



部屋に入った私達は、上着を脱ぎハンガーにかけた。

彼が脱いだ上着を私がハンガーにかける。

そんな事でさえも緊張する。



「先にシャワー使っていいよ。」


私は、下着を脱ぎ鏡にうつる自分の姿を見る。

緊張が高まる。

ゆっくりとお風呂のドアを開けると広い浴槽がその存在感をアピールする。



私は、冷えた体に熱めのお湯をゆっくりとかけていく。


少しずつ緊張して早くなる鼓動。


少しでも長く、お風呂場に居たかった。
ドキドキが半端ない。

ゆっくりと体を洗い、いつもよりもちょっと念入りに。




シャワーを済ませた私は、バスローブを羽織り部屋に戻った。



そこには、すでに下着姿になってベッドに腰をおろしてる彼が…



ヤバイ、胸の音が聞こえそうな位になってる…。




「あの…シャワー終わりましたよ。」

平然をよそおってみる。



あぁ。と言って、部屋をあとにした彼。

何か、慣れてる感じ。
彼は大人だしね。こういうシチュエーションだって、慣れてるよね…。


でも、私は1人になった部屋で困ってしまった…。



ベッドに入っておくべきか…
それとも、ソファーで待つべきか…

私はまだ大人じゃない!こんなの慣れてない…。


どうしよ…。



迷ったあげく、私は二人分のコーヒーを入れてソファーに腰かけた。



こんな時間は長いようで短い。



あっという間に彼が部屋に戻ってきた。



彼のバスローブ姿に、私の緊張はピークに達した。



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