たった一人…。
コーヒーを片手に、そしてポケットにはエコー写真。
ゆっくり、ゆっくりと階段をあがっていく。
だんだん緊張が強くなる。
「すみません、お待たせしました。」
喫煙室に入ると、慌ててタバコを消す彼の姿。
そして、窓を全開…。
そんな優しさが余計に辛くさせる…。
真剣な表情の彼…。
沈黙がつづく……
「あの……。どこから話したらいいかわからないんですけど。私自身にも責任があるし、責めるつもりもご迷惑をかけるつもりもありません。安心して下さい…」
安心して下さい…。
声が震えてる。まずい、そんなんじゃダメだ。
でも、その言葉を聞いた彼は驚いた様子だった。
「…それから、昨日もらった写真をもう一度ちゃんと見て欲しいんです。2人の赤ちゃんだから。」
手渡した写真を見ながら、彼が私のお腹に手をあてる。