たった一人…。

なんだ…。一人じゃないじゃん。




それからしばらく私はテレビを見ながらコーヒーを飲んだり、くつろいでいた。

すっかり自分の部屋気分。



ガチャ。

「おまたせ。悪かったな。」



届いたダイニングテーブルを見つけて嬉しそうに椅子に座った。



「おかえりなさい。ベッドもきてますよ。適当に寝室に入れてもらいました。あと、ペアの枕カバーがプレゼントだからって受けとりました。奥さんと住まれるんですか?」


寝室に行き、預かった枕カバーを手渡した。




「いや、一人だよ。かみさんは家に息子と住んでるんだ。」




えっ…?




「でも、ダブルベッド…」



「あ、あれ。広いのが好きなだけ。ちょっと前までは居たけどな…」




寂しそうな顔をして下を向く。


そんな表情を見て、とても切ない気持ちになった。
気がつくと、頭の上に手を置いて撫でていた。





「おまえが一緒に寝てくれれば寂しくないけどな。」



最低~!!



ちょっとでもかわいそうだと思ってしまった私がバカだった。



「何言ってんですか!」



ははっ。と笑いながら彼はベッドに横になった。



でも、私は見てしまったんだ…



天井を見上げながら寂しそうな目をしてるあなたを。


あなたの目から涙が流れたとこを。

< 3 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop