たった一人…。



そのうち、私は営業所の中で仕事していても孤立するようになった。


私と関わろうとしない。私には手をかしてもくれない。

そんな日が続き、私は自分から配達を進んでやるようになった。

だって、私の居場所はここにはない。



幸い、彼は毎日居るわけでもなくバレる事もない。そう思ってた…。





「お疲れさん。」


私が出ようとしたその時、彼がやってきた。

動揺する私に彼が詰め寄る。

手汗が半端なく出る。


あ、ヤバッ…。



「おまえ、何しよるんか?」

明らかに顔が怖い。怒ってる。


「あの、残りを持って走ろうかと思って。体調も良いし。」

つい、下を向いてしまう。私の悪い癖。



「残りって、おまえこんなに持って出るつもりか。」


ため息をつき、黙ったまま用意していた荷物を車に運びだした。



「準備しろ。すぐ出るぞ。」




怒られると思った…。
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