たった一人…。
お別れ。
一人になった私はそのまま海に向かって車を走らせた。
彼と行った思い出の海。
彼が一番好きだと言った海。
車を停めた私は、思いっきり泣いた。
天気が悪く、荒々しく波の音をたて海の色が濁ってる。
私の今の気持ちと同じだ…。
気がつくと、メイクポーチに入ってたカミソリを左手に持ち、右手に押し当てていた。
手首から流れる血を見て、ふと我にかえる。
『赤ちゃんの痛みはこんなもんじゃないんだ』
何度も何度も、手首を切りながら自分に言い聞かせた。
『私のせいだ…』
流れ出る血を見て、私は意識を失った…
私は、夢をみた…
夜空を見上げる私は、ずっと一番キラキラと輝く星を見つめてた。
あれは、きっと二人の赤ちゃん。