たった一人…。
それから私は彼のアパートに行った。
思いっきり彼の胸で泣いた。
ずっと何も言わず、ただただ私を抱き締めてくれる。
「ごめんなさい…。」
「もう謝るな。黙ったままでいいから。」
「無事で良かった…。」
どれだけ泣いただろう。
彼に抱きしめられたまま少しの間、寝てしまっていたらしい。
「奈央…。」
彼が私の手を握る。
そして、彼は私の手首に巻かれた包帯に気がつく。
「おまえ、これ…。」
握る手に力が入ってるのが伝わってくる。
「ごめんなさい。でも、きっと赤ちゃんはもっともっと痛かったから…。苦しかったから。私のせいだから…。」