たった一人…。
私はテンションがあがったまま、会話を楽しんでいた。
「ちょっと車、停めていい?トイレに行って飲み物買ってくるから。」
そう言って、車に私を残し降りて行った。
一人になると一気に緊張がとけ、疲れが出る…。
コンコン…。
車の窓をノックされ、目をやると車のドアが開けられた。
「何ですか?」
「ちょっと道を教えて欲しいんだけど…。」
と、二人の男性が立っていた。
手には地図を持っている。
仕方なく私は車を降りて、地図を広げた。
「今いるのがココなんで、この道をずっとまっすぐに走って、この道にぶつかったら右に曲がって…。」
私は地図を見ながら一人の男性に説明していた。
背後で車の後部席のドアが開いたのも気付かずに…。