たった一人…。


私は香理と待ち合わせのファミレスに着いた。


「お疲れ。」

軽く手をあげて、私を手招きする。


あぁ、仕事じゃないって楽。

香理が居てくれると安心する。


「とりあえず、何する?」


私達は食べ物とドリンクバーを注文して、飲み物を取りに行った。

私はコーヒー砂糖入り。香理はオレンジジュース。
香理のこういう女の子っぽいところが私は大好き。
今も、私の分のストローとコースターまで取ってくれてる。

私なら、そのまま飲んでる(笑)

「ありがと。」

「え?いつもの事じゃん?(笑)」

こんなやりとりが私の気分を少しだけ解放させてくれる。


「ところで、話って何?」

「うん…。あのね。前に私の部署に居た大山の事なんだけど。」

「うん。結局あの人辞めたね。何か問題起こしてって聞いたよ。
大山がどうかしたん?」

「実は、暴行されたんよ…。怖かった。」

「は?大山に?」

「ううん。大山の指示で他の数人に。」

「その…。レイプって事?」

私は声に出来ず、頷いた。


「警察は?この事って、誰か知ってる?」

「警察には言ってない。知ってるのは豊広さんだけ…。」

「でも、豊広さんとはしばらく連絡取ってないって?」

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