たった一人…。
いつの間にか寝てしまっていたらしい。そこに彼の姿はもうなかった。
ベッドのサイドテーブルに置いてある携帯が点滅している。
『おはよう。仕事に戻るから。気持ち良さそうに寝てたから起こさずに出ます。夜はもう来れないと思うから、冷蔵庫のを食べて、ちゃんと薬を飲むこと!明日の夜には来れると思うから、それまではおとなしくしてて。』
やっぱりお父さんだね(笑)
はぁ。私、迷惑かけてばっかりだな…。
彼は、今の私の事をどう思っているんだろう。やっぱり責任なのかな?
それとも…。
薬の副作用なのか、まだ体がだるく起きあがれない私はそのまままた目を閉じた。
♪♪♪
携帯の着信音で目が覚める。
「もしもし?奈央、大丈夫」
「ん。ごめんね。どうかした?」
「ううん。最近、ゆっくり話して無かったし、体調も良くないって休んでるどうかな?って思って。それに、時間が出来たら様子見に行ってやってって、豊広さんが。」
「え!そうなの?それって、香理が知ってるってバレてる!」
「だね(笑)でも、凄く心配してたよ。愛されてるね。」
「さぁ、どうだろ。私、よく分かんなくて…。」
「そっかぁ、そうなんだ。ねぇ、今から家行っても良い?」
「うん、良いよ。」
「了解!じゃあ、後でね。」
と、電話を切った。