小春日和


「たぶん、もう分かってると思うんですけど…」

勇気を出して顔を上げる。

お互いの目線が絡んで余計恥ずかしくなった。


「…三原さんのことが好きです。付き合ってください」

勢いよく頭を下げる。

勢いをつけすぎてブワァっと風を起こしてしまった。


「…………」

「…………」

「…………」

…あ、フラれる。

直感的に思った。
正直直感とか全然当てにしてないけど、その場の空気というか嫌な予感は当たる、みたいな。

「…こんな私でよければ、よろしくお願いします」

「…え?」

またブワァっと風を起こしながら頭を上げた。


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