小春日和
春になるまで。
*
「思い出した?」
ひょこっと視界の中に春の顔がうつりこむ。
「思い出したもなにも覚えてるから!」
「ふーん」
覚えてるとか自分から言ったくせに恥ずかしい。
心なしか顔が熱くて今顔が赤いのが自分でも分かる。
「健顔赤いね」
「うっせぇ!」
「認めた。あはは」
「あははって。彼氏を笑うだなんて最悪だ」
「あははははは」
「……………」
「あは、はは………」
ん?
笑いの止まり方ちょっと変だろ。