小春日和


びっくりしてないのに驚いたって…ホントに驚いたのか?

別に脅かすつもりはなかったけど…。

痛くないのに「いたっ」ってつい言っちゃうアレと一緒か?


……何考えてんのかさっぱり分からない…。


「健ー」

「何?」

「親は?」

「外。その辺のおばさんとしゃべってる」

「ふーん」


春は猫みたいに机から降りてまた窓際に足を進める。

俺はその後ろ姿を見つめながらそっと目を閉じて外の声を聞いた。



嗚咽交じりの話声。

写真のシャッター音。

笑い声の響く校庭。


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