向かう先に
まぁ特に目標もなく高校生になった。
入学したのは、星徳高等学校。
(新入生だからドキドキする)なんていう感情は、どこにもなかった。
ただ俺は、高校で新しい遊び相手を見つけたかった。
それだけだった。
クラス発表を見に行った。
「はぁ…また雅人と一緒かよ。」
「もう連ちゃん!そんな事いわないの!」
「何が連ちゃんだよ!きもい。」
相変わらずの腐れ縁だ…
まぁ悪くねぇけどな。
入学して1ヶ月。
あんまり友達は増えなかったけど、まぁまあ楽しんで学校生活を送っていた。
休み時間に雅人がこう言った。
「連は、部活とかすんのか?」
「しねぇと思う。雅人は、すんのか?」
「あぁ。陸上部に入ろうと思う!」
「まじかぁ…」
ちょっとだけ寂しさが込み上げてきた。
雅人は、足がやばい程に速いし陸上部のエースかなんかになるんじゃねぇかな。
なんて思ってた。
「俺もなんかしよっかな…」
軽い気持ちで言ってみた。
そしたら雅人より先に誰かが
「マジ!俺バスケ部に入ってんだけど、バスケ部は部員が足りねぇらしいから入らねぇか?」
まてよ!お前だれだよ!
「ごめん、誰か分かんねえ。まず名前教えてくんねぇ?」
「あっ俺?」
いやお前しか居ねぇよ!
「あぁ。」
「俺は、田崎龍之介。よろしくな、連!」
「何でしってんだ?」
ってか龍之介ってかっこいい名前だな…。
まぁ別にどうでもいいけどさ…。
「俺の事は、りゅうって呼んでほしいな!」
「いいぜ。」
「またバスケ部に見学来いよな!」
「気が向いたらな。」
ほっておいた雅人が横でうるせぇ。
「雅人、何か言う事あるなら言えよ!」
「だってよぉ、連イケメンでスポーツ出来るのにまたバスケなんてかっこいい事しようとしてんだもん…」
「いや、イケメンじゃねぇから!」
雅人は、別に普通にかっこよくて、モテるのに、モテたくて仕方ないらしい。
「俺、イケメンじゃねぇけど、身長はあるよな。」
「イケメンで身長高いとかどんだけ恵まれてんだよ!ところで、今身長いくらあんだよ?」
「分かんねえけど、180cmぐらいじゃねえかな…」
「バスケにいかせんじゃんかよ!で、結局のところ連はバスケすんのか?」
「まだわからねぇけど、やってみようとは思うかな!」
「頑張れよ!」
< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop