一恋入愛
そして京介は彼女たちに
「お前の気持ちはわかってたよ?だけど俺には好きな女がいる。ごめん」と言った。

すると彼女たちは真っ赤な顔をして逃げようとした。
だけど、それぢゃあたしの気が収まらない。そう思い、彼女の腕を掴んだ。

「謝って!!翔平と野球に謝って!!!!」

だけど彼女たちは「やめてよ」と涙声で叫んであたしの手を振るいはずした。

「待てよ!!」
「夏希!!…もうやめとけ」

あたしの言葉に被せるように翔平の冷静な声が聞こえた。

「何で?野球のことバカにしたんだよ?ムカつかないの?」

だけど翔平はあたしをジッと見つめるだけだった。
あたしはその場に崩れ落ち、声をあげて泣いた。言いたいことは山程あるのに言葉にならなくて、代わりに涙が止まらなかった。
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