これはあなたへのラブレター


そんな私の涙目は
私のソロが近づけばちかづくほど
ひどくなった。

ソロにむかってだんだんと周りのなっている楽器が減っていく。


やばい…できないよぉ……


身体中が細かく震えて
息まで震えてしまう。


あ、純くんの音……?


不安でいっぱいのなかで
わたしは私の後ろで純くんも吹いていることに気づいた。



そのお陰で私の震えはいつの間にかとまって、
比較的落ちついて
ソロを吹くことができた。



もちろん、私と一緒に吹いているのは純くんもだけじゃないんだけど、

純くんと自分の音が共存しているのがたまらなく嬉しくなった。



わたしは、こんなちっちゃなよろこびを
いろんな場面で感じながら
最後の演奏会を終えた―………







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