光と闇
「看護師さんよばなきゃだめですね?」

「あ…大丈夫です。対したことないですから。」


僕がそういうと、彼女はベットから降りて、カーテンをしめた。

「何となく分かっていました。あなたは、日の光が駄目なんじゃないですか?」

彼女は気付いていたのだ。


「私に来てくれて、ありがとう。」
嬉しそうに微笑みながら、一言呟いた。

ベッドへ戻った彼女を、僕はよく見た。ほんの少し会わなかっただけなのに、白かった肌はより透き通り、所々に不気味に痣が出来ていた。
腕や足は、木の枝のように細く、今にも折れてしまいそうだった。

どうしてこんなになるまで僕は気付いてあげられなかったのだろうか?
彼女は気付いてくれていたのに…
だが今は泣いてはいけない。それによってきっと彼女のことを苦しめてしまう。

「…あまり自分を責めないでください。何にも悪いことなんてしてないじゃないですか?
堂々としていてください。そんな顔してたら、かっこいいのにもったいないですよ。」

感づかれた。
自分が今考えてたこと全てを読まれたようで、とても恥ずかしくなった。
顔が赤くなるのが分かる。
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