光と闇
その日からほぼ毎日彼女と話すようになった。

僕が行かない日もあり、たまに彼女が来ない日もあった。




話の内容は様々で、その日見たもの、好きなもの、天気やニュースの話までした。
ほんの数分の時もあれば、十分以上話すときもあった。例え少しでも僕は凄く幸せになれた。


今なら光に出ても平気な気がした。
けれどやはり怖かった。普通の人が、深く暗い海を目の前にするくらいの恐怖と同じくらいだろうか。

あるいは燃え盛る炎を目の前にするくらいの恐怖だろうか。


彼女の話したことに、夕焼けの話があった。ビルの間に沈む夕日がとても綺麗だと嬉しそうに話していた。
夕日なんて暫くみていない。懐かしく思ったが、悲しくも思った。
彼女が綺麗と言っていた夕日を、一緒に眺めることが出来たらどんなに良いことだろうか…
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