光と闇
晴れの日以外は彼女に会いに行った。



暗闇にしか咲けない僕は、彼女に会えなくなるのが嫌だった。だから光には当たれない。しかし、それが彼女にあまり会えない原因でもあった。

光の暖かさを僕は忘れてしまった。もう思い出せないくらい、遠い昔から僕は光を拒絶し続けている。
これで良いのだろうか。


僕は何なのだろう。




生きている意味があるのだろうか…?




けれど、そんな不安も、彼女といるときだけ忘れることができた。
彼女が居ると、それだけで良かった。心が暖かくなれる。自分が人間で、きちんと人としての心をもって今、生きているのだと思えて、嬉しかった。
そばに居て欲しいと何度も、何度も心から願った。


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