光と闇
ある日、彼女は小さな袋を持ってきた。
それを僕に手渡すと、中を見るように言った。言われるままに袋を開けると、
細かいデザインの施された紅い鈴と青い鈴が入っていた。青い方を彼女が取ると、こう言った。

「不思議な雑貨やさんでみつけたの。青い雨のようなこの鈴は私で、紅い太陽のようなその鈴はあなたのね。」

彼女から初めてのプレゼントだった。

「ありがとう。」

僕は心からの感謝を述べた。世界一の宝物が出来た。
にっこりと彼女が笑った。











この日を境に彼女は、あの時間、あの場所に現れなくなった。
雨の日と曇りの日にしか現れない僕が気味悪く感じたのだろうか?
それならば仕方がないが、何かあったのなら心配だった。

凄く苦しかった。
けれど会う術が分からない…

凄く不安になった。
何かあったら、どうすれば良いのだろうか…


ただ、会いたかった。



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