小指心



「ちょっと話があるんだけど」



―――――――――――


私は蓮と一緒に帰ることにした。
今の状況・・・使えるから、しかもなんか訳ありみたいだしね。

「ところで小山くん、さっき見ちゃったけど何してたの?」

「・・・南朋さんには関係ないでしょ」

「そんなこと言わないで、教えてよー」

私は出来るだけブリッ子になった。
蓮は今にも爆発寸前だ、別にこっちは最高の手段があるし。


「なんで教えなきゃいけないんだっ!」


あらら、蓮ったら怒っちゃった。

「ふーん、教えないんだー・・・」

「・・・」

蓮は私のを無視して早足で先に行こうとした。
私はすかさず蓮を捕まえる。



「ねぇ、このことって一馬にも言っていいのかなぁ?」



「っ・・・!!」

笑顔で私は話を続けた。
ここからが一番面白くなるんだよね、私は蓮の顔を近づけた。



「私にとびっきりのキスしてくれたら、このことチャラにしてあげる」



「なっ・・・なに言ってんだ南朋っ!!」

とうとう蓮も私の名前を『さん』付けないで呼んだ。
まー嬉しい。

「どうなの、キスする?それとも、しない?」

私はさっき塗っておいたラメ入りリップを思いっきり蓮に見せびらかした。

「・・・本当に言わない?」

「うん、約束は守る方だからねっ」

「良く言うよ・・・」

別に、断ったって何も言わないけどね。
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