小指心
第六章

三角関係



バタンッ


「はぁ・・・はぁ・・・」

冷めている空気、火照った頬をなでる。
まだ近くで聞こえる蓮くんの声。

なんだか壊れて行くようで、崩れて行くようで。

「っ・・・」

なんで逃げちゃうんだ。


 小指心
  三角関係


なんで、なんでなんだ。

「好き・・・!?」

蓮くんが・・・私のことを好きっ・・・?
全くそれじゃあ話が違うじゃないか。

「え、ちょ・・・意味分かんない・・・」

私はドアに寄りかかってゆっくりしゃがんだ。
頭を抱え、状況を整理しようとした。

まず、最初に南朋が蓮くんと付き合って。
その後に別れて一馬と付き合うことになって・・・


「・・・」


あーダメだ。
全然今の状況が頭に入らない、第一なんで私は一馬が好きって知ってて私が好きになる?
あれ、今の説明おかしい?

あーもー、全くもって分からない。

「もー・・・」

ていうか、私は一馬ともう別れたから告白?
え、でも今更?

いや、今更ってわけでも無いのかな・・・

ぇ、じゃあ最近好きになったのっ!?


「す、ストップストップストップ」


過剰な期待は禁物・・・

「あーでもぉ・・・」

どういうこと、これ夢?
つか現実逃避してんのは私だけだわ。
< 118 / 250 >

この作品をシェア

pagetop