小指心
ガチャ

「はい梓です」

『あ、一馬だけど』

「か、一馬っ」

『あぁ、明日って土日だからどっかに遊びに行かない?』

こんな時に限ってデートのお誘いっ!!
早くココから出たいんだけど!!(O∀O∥;)

「あ、ちょ、今ちょっと忙しいから後でまた電話してくれる!?」

『え、あ、良いけど』

「分かった、ありがとう!!」


ガチャッ


私はとりあえずトイレから出てリビングに着くまで蓮くんとなにを話そうか考えていた。
あぁ、お笑い芸人って大変なんだなって気付いてしまった私って(自己嫌悪中)。

「ごめん、なんか携帯が鳴ってたから。長電話になっちゃって」

「いや、大丈夫だよ。いまお茶いれたところだから」

そこには私が昔、よく飲んでいたロイヤルミルクティーが入れてあった。
蓮くんはアールグレイ、良い香りがする。

私は蓮くんの向かい側に座った、直視・・・出来ない。

「あ、あのさ」

「ん?」

蓮くんは飲んでいた紅茶をお皿においた。

「なんで急に帰国なんてしたの?」

「あぁ、親の仕事でまたこっちに住む事になったんだ」

「そ、そうなんだ」

「それで家はどこにしようかって話してたらちょうど梓ちゃんの家の隣が空いてるから、ココに住むことになったんだ」

あ、そういえばココ前は綺麗な空きやだったーって思ってたんだよね。

「でも学校も同じだなんて」

「うん、ココから一番近いし。多分、梓ちゃんもそれであそこの学校に入ったんでしょ?」

< 13 / 250 >

この作品をシェア

pagetop