小指心
「いや、でも本当に行く」

「ぇ、ちょっと!」

私はブラウスの裾を引っ張った。
誰が行かせるのさ。

「なに、離してよ。あたいは行くっ!止めないでおくれっ!?」

「一体どこ時代をイメージしてそんなアクセントが出るんだよっ!」

「・・・おしん時代っ!!」

「ねぇよっ!!(笑)」

私はさっきよりも強く引っ張った。
尚更行かせられないっての、ていうかなにしに行くんだっ!!

「なにしに行くのっ!?」

「なんで南朋なんかにキスしたか聞いてくる」



言ってることは本当っぽいんだけど、なんかどっか嘘っぽいんだよなぁ・・・



「つか、その汚い精神を私が叩きなおしてくれるっ!!!」

「さっきまでの話聞いてたっ?!!」

「とにかく行くからっ!」

私は思いっきり引っ張り、様乃は思いっきり逃げようとしている。
こういう時、アニメとかではブラウスが破れて様乃の方がころぶんだよね。



ベシッ



様乃は手を使って私を引き離した。

「あ、汚っ!!」

「ふ、これも空手の内なんだよっ(怪盗の捨て台詞っぽく)」

「普通に違うでしょ・・・」

そういって様乃はクラスを後にした。

―――――――――――

私はようやく梓から逃げ、1年ところに行った。


ガラッ


「すんません、小山・蓮貸してもらえませんか」

ザワッ

やめてよそういう勘違い、私は別に話が合って来てるだけなんだから。
良くいるんだよね、これだけでカップルだと思ってる人。

マジで良い迷惑だよ。
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