小指心

とにかく私は無我夢中になり走って走って走って、気付いたらもう家に入って自分の部屋にいた。

「もうムリムリムリムリ、絶対無理・・・」

ベッドに組んだ腕を置いて私は床に倒れこんだ。
体の中から汗と暑さがこみ上げてくるようで、それを私は無理矢理止めようとした。

「あーもう・・・朝９時って・・・」

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「じゃ、俺はこれで」

「あ、ちょっと待って下さい」

「え？」

「あの、梓ちゃんと同じ学校なんですか？」

「え、えぇ。そうですけども」

「僕、今週から同じクラスになる事になりました」

・・・

「そうですか、ヨロシクお願いします。あ、もう行かなきゃいけないんで」

「あ、はい。また改めて」

「さようなら」

・・・そう言って俺は家路を辿っていった。
正直、一体俺はなにをしているのか。

梓が帰る時に一緒に帰れば良かったのに・・・どうして、どうして俺ってやつは。

『あ、てか明日どうする梓』

『じ、じゃあ９：３０にハチ公でっ！！』



―――――わざとあの、小山というやつが嫉妬するように仕向けたんだ。



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ピピピピピピピッ

「け、携帯・・・つかのど渇いた」

私はポカリスウェットを取り出し飲み干した、携帯には新着メールと書いてある。

「一馬からだ」

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件名　明日
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おーす、明日どうする？
本当に９３０・・・？
まぁ後で１１に変えてでもくるんだろーなー。

服でも一緒に見に行くか？
メール待ってるよ
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・・・私を良く分かってらっしゃる。
なんでこう、私の周りの人は私を良く知っているんだろう。

とにかく返信しなければ。