小指心

それから何日か経ち。

「ぇ、南朋ってもう蓮くんと付き合ってないのっ！？」

「うん」

「どっちからっ！？」

「ん〜？それは私から」

「うそー！！なんでー！？」

「なんか、性格のズレ？」

本当は蓮の方から別れを告げられたくせして、なんだか悔しくて奈留に嘘をついてしまった。
まったく、私もくだらない嘘ついちゃったよねー。

「・・・でも良かった」

「ぇ？」

「もしそれが蓮くんの方からだったら、私もう蓮くんのこと嫌いになってた！」

奈留の大きな瞳は、相変わらずキラキラしていて。





私には―――――まぶしすぎた。





「私は絶対にフラれたりしないから、安心せい」

「南朋、クール〜」

本当の私は、クールでも可愛くもなく。
ただの意地悪なお人好し。

多分、奈留の為ならなんでも出来るよ。

「奈留、今日は一緒に帰らない？」

「良いよっ！てゆーか、いつもそうしてるじゃん」

「そうだけど」

「どうしたの？」

・・・ホント、どうしたんだろう。

いつか来る未来が怖くなってきた。
馬鹿みたいでしょ？

「南朋？」

「・・・」

ねぇ、奈留。





「私、奈留と離れるのが怖いみたい」