小指心

キーンコーンカーンコーン

「じゃあね様乃ー」

「あ、待って梓っ!」

「ん?」

様乃はもう空手服に着替えていて、凄くそれが似合っていた。
流石です。

「梓、今日から空手が始まるんだけど。梓も見に来ない?」

「ぇえ、なんで」

私はそっけなく答えた。
それを聞いた様乃は・・・笑顔が怖い(なぜ)。



「だって、面白そうじゃん☆」



分かってたよ、どうせそんなこったろーって思ってたんだよっ!!
そういうと様乃は私を引っ張って、道場まで連れて行くと言った。

まだ返事、してないんですけどっ?!

―――――――――――


道場にて。


「よ、様乃」

「ん?」

「道場・・・ここだよね?」

「そうだけど」

「いやいやいやいや・・・」



なんで経った一日でこんなに増えるかなっ?!!



私は何度も何度も目をこすった。
だ、ダメだ・・・

「様乃、私のほっぺつねって」

「え?」

「良いからっ!!」

「・・・はっ!」



ズベシッ



「ちょ・・・背負い投げは反則だよねっ!?」

「ここ、道場だもん」

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