小指心
第八章

薄れて涙

お試し五日目。

「・・・」

もうすでに学校帰り。

まだ一つも楽しい事をしていない。
マンネリ状態だ。

「はぁ・・・」

最近ため息ばっかしてるから幸せが消えるのかな?

なにかしなくちゃ、なにか話さなくちゃ。
そんな感情に押しつぶされて。

肝心な事が出来ていなかった。


 小指心
  薄れて涙


バタン

「ただいま」

「おかえりー」

この頃は飛鳥の愛情(ボディタッチ)が足りない気がする。
なんか、蓮くんと言い飛鳥と言い。

つまらない。

「飛鳥ー」

「はーい」

返事は帰って来る。

でも君は帰ってこない。
寂しい。



タタタタッ



久しぶりに聞く飛鳥の足音、軽い。
なんだか安心する。

「なーに姉ちゃん」

「ぁ、いやこの頃飛鳥の(激しい)ボディタッチがないなーと思って」

「あぁ、もうすぐテストがあるから忙しいんだー」

「ふーん・・・」

日常的にあったことが、ふと消えると急に自分一人だけになった様で。
身の回りに音が無くなる。

「あ、やっぱしてほしい?(笑顔)」

「いや、忙しいなら良いよ」

「そ」


タタタタッ


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