小指心
僕は今までしてきた事を振り返った。

「・・・っ」

後悔しまくった。

とくに梓ちゃん、南朋さん、一馬くん、椎名さん。
崩れた関係。

もう、絶対に戻せない。

「・・・」

僕は携帯を開いた、受信メールは無い。

まだチャンスがあって、今までの関係に戻れるとしたら。
その先に行けるとしたら。



「梓ちゃん・・・」



僕はもう、傷つけたりはしない。

―――――――――――


コンコン


「・・・」

「入るよー?」


キィ


「・・・姉ちゃん?大丈夫?」

飛鳥だった。

受験前で勉強が大変なのにわざわざ来てくれた。
急に心が暖まった。

「どうしたの?」

優しく私の背中をさすってくれた飛鳥、とても心地良い。

「・・・蓮くん」

「うん」

「電話、きた・・・」

嗚呼、また涙がこぼれ落ちる。

「蓮くんなんだって?」

「・・・止めようって」

「止めよう?」

「お試し関係・・・もう止めようって・・・」

飛鳥は私にティッシュ箱を差し出してくれた。
一つ一つの行動が私には優しく感じた。

「そっかぁ・・・」

「うん・・・」

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