小指心
「えー、なんでー」

「うーん・・・」

「でも『二度ある事は三度ある』っていうじゃん」

「あと『三度目の正直』も」

「あ、そっか。じゃ大丈夫だよ」

「だと良いけどねー」

私は相変わらず美しく光っている夜空を見上げた。

「あ、姉ちゃん何願ったの?」

「明日のテストでいい点取れますように」

「ぇえええっ!?超つまんないっ!!!」

「うるさいなー、こんなもんだよ」

「ちょ、明日が最後の日なんでしょおっ!?」

「お試しの?」

「そうっ!!」

私は飛鳥に勢い良く胸ぐらを掴まれた。
今日の飛鳥は異様にテンション高いぞー。

私はさっきから窓の方を向いている。

「ちょっと、だったらせめて明日の事に対しての願いをしろよっ!!!」

「えー」

「『えー』じゃないっ!!!」

「なにを願えばいいの?」

「例えば・・・ぁ、じゃあ『蓮くんと上手くいきますように☆』とか」

「なんで語尾に星」

「そのツッコミは全面的に拒否します!」

なんでよー・・・(汗)

「他には?」

「じゃあ・・・『蓮くんと仲直り出来ますように』とか、なんか乙女チックな事を願おうよ」

「んー、じゃあそれで決まり」

「って私じゃなくて君が決めなきゃ!!(必死)」

あーもー、どいつもこいつも。

あれ。

「さっきから星、増えてるよね?」

「ぇ?」

すっげ、夜じゃないみたい。
あ、流れた。

「ちょ、流れちゃったじゃん!!!!!(泣)」

「いや、ちょっと待って」



キラッ



< 223 / 250 >

この作品をシェア

pagetop