小指心


ドゴッ


「きゃああぁっ?!?!?∑(゚∇゚|||)」

い、痛いよぉー・・・
イキナリ『額ミーツ机☆』的な構図になってしまった。

景色が揺れる。

「痛い痛い痛い痛い・・・」

「なにやってんのっ?!!」

「いや、ちょっとした幻聴が聞こえまして・・・(汗)」

「今日は最後の日なんだからしっかりしてよねっ!!」

「あぁ、また『最後の日』幻聴がぁ・・・」

「まず第一に幻聴じゃねぇよっ!!」

様乃はそう言いつつも私の額を優しくさする。
ちょっと動揺しすぎた・・・

「なに動揺してんの?もう逃げられないんだから」

「いや、昨日はまだ大丈夫だったんだけど・・・いざ当日になると緊張がマックスになってしまってですね・・・」

これはもう、説明とか出来る範囲の状況(あるいは精神的な問題)じゃないんですよ。

「いやでも仕様がない、後には戻れないし」

「お、さっきまでの梓は一体どこに消えたんだ」

「『さっきまでの梓』?それは一体誰のことでしょうか?」

「おめぇじゃ」

そんな鋭いツッコミはせんでええやないっすかぁ?・・・(泣)

私は未だに額をさすりながらちゃんと席についた。
なんかヒリヒリしてきた。

「ていうか様乃、あの二人の空手はどうなってんの?」

「あー、地区大会って水曜日にあったんだよね」

「水曜日?水曜日って・・・ぁ、あの土砂降りの日っ?!!」

「そーそー」

マジかよ・・・

「ぇ、つーか入部そうそうですか?!?」

「うん、だって時間ないっていったじゃん」

「いや、ひとことも言ってないよっ!!!!!!!」

まさかあの日にあったのかー、あぁだから蓮くんと繋がんなかったんだ。
ぁ、へー。

「そうだったんだー・・・え、で誰が勝ったの?」

「ん?もちろん私だけど」

「ぇ、ちょ・・・ぅっそおおおぉっ?!!!」

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