小指心
「なんて願ったの?」

なんか様乃じゃないような願い(意外な答え)が出てこないだろうか。
私は期待に胸を踊らせつつ答えを待った。



「『梓に彼氏が出来たら、私も彼氏が出来ますように』」



「・・・」

「っていう願い」

「・・・ぇ」

「ん?どうしたの?」

「ぇ、い、いやなんでもないっ」

私は再びゴロンと寝転がった。

まさか様乃がそんな女の子っぽい願いをしているとは・・・
思いもよらなかった。

「え、もしかしてアンタの都合の悪い願いだった?」

今度は様乃が起き上がる。
ちょっと、あの綺麗な青空が君のせいで見えないんですよ。

そこを、どいていただけます?

「いーや?全然」

「ほ、本当?」

「うん、何言ってんのー?」

「そ、そっか・・・」

そういうと様乃もまた、寝転がった。
あ、ていうかさぁ。

「その願いを叶える前に」

「ぇ」

「肝心の好きな人はいるのかい?」

「好きな人?」

「うん」

だって好きな人がいないかぎり彼氏は出来ないでしょ。
でも様乃に好きな人って・・・

合わないなぁ。

「そんなのいるわけないじゃん」

「ぁ、ですよねっ?」

「ていうかいたら真っ先に梓に教えるよ」

「ま、嬉し」

「やっぱ良いや」

「ええぇええっ?!?!」

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