小指心
「ラッキー、じゃあ今日一晩、ヨロシクお願い致します」

もうすでにお辞儀して泊まる気マンマン。

「え、良いとは言ってないよね?」

「えっ!?」

「なーんて、嘘嘘。泊まれるよ」

「お、おーヤッター」

なんて言って脅してみたけど、少しビビるだけでそこまで通用はしなかった。
一馬はそこらへんでピョンピョン跳ねている。

「よしっ、そうと決まれば私、一馬さんとプレステ勝負ですよっ」

「この前は負けたけれど、今回は勝つっ!!」

私には一馬の目が炎を出している様に見えた、今日は徹夜になるな。
二人の光景が目に浮かぶよ。

―――――――――――

私は部屋に戻ってパジャマに着替えた、この頃お気に入りの気軽なTシャツワンピだ。
リビングに行くとさっそく一馬がゲームの用意をしている。

「そういや一馬、お母さん方にはうちに泊まるって言っといた?」

「あぁ、今さっき電話で許可もらっといた」

「そっかそっか」

テーブルに置いてあったチョコをほおばった。
うわっ、リキュール入り!

「ん、梓。なにすっぱい顔してんの?」

「すっぱい顔なんてひへなひっ」

「いやいやいやいや、声までキツいけど」

「ひ、ヒドッ。食べへるチョコがリキュール入りだっはだへはよっ」

うぅ〜、飲み込むにも飲み込めない・・・(泣)

「吐き出せば?」

「〜〜〜〜〜」

もう完全に溶けてんのにどうやって吐き出すっつーのさ。

「しょうがねーな、ちょっとこっちにおいで」

私は一馬の指示通り、一馬の方に行った。

「目ーつぶって」

「・・・?」

パクッ

「っ?!!」

一馬はまたもやキスを仕掛けてきた、飛鳥が戻ってくるから止めてくれ。
だんだんリキュールも消えてきた。

プハッ

「ちょっ・・・なんでもかんでもキスで直そうとするの止めて・・・(恥)」

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