小指心
大丈夫、大丈夫だ。

―――――言える、きっと。





「私、蓮くんのこと好き」





『まだチャンスがあるなら、また教えて』

そうだよ、まだチャンスはあるじゃないか。
最後の電話でそう言ってくれた。

蓮くん、そうでしょ?

「うん、私好き」

二度も私は蓮くんに言った。
だって、何回も自分の気持ちを確認したいから。

嘘じゃないって、伝えたいから。

「蓮くんは・・・どうです、か?」

私はちょっとだけ、急に自信が無くなって下のほうを見た。
ちょっと、これは半端ない。



ドクン、ドクン、ドクン、ドクン



「・・・」

あー・・・なんか嫌な予感してきた。

ここまで沈黙になるって、そうないよね。
まず私の思考では、ポジティブな答えでこれほど待たせない。

で、ネガティブならめっちゃ困りに困って結局沈黙。

じゃあ、私ほとんどネガティブ派なのかよって話ですよね?

「・・・?」

あまりにも沈黙すぎる。

ぇ、もしかしてそんなに迷惑だったのかな・・・

「ちょ、蓮くん。私もしかし―――――」







ぎゅっ







・・・ぇっ。

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