小指心

ギュウウウゥゥゥッ


ぇ、ちょ、きつい。

「ぃた・・・蓮くん?」

「それ・・・ホント?」

「ぇ?」

「今言ったこと・・・冗談じゃ、ない・・・?」

蓮くん、声が震えてる。

私は蓮くんの胸にうずくまって言った。



トクン、トクン、トクン、トクン



「・・・本当だよ」


『まだチャンスがあるなら、また教えて』


うん、まだチャンスはある。
あるよ。

「・・・っ!」

蓮くんは今よりもっと、もっと強く私を抱きしめた。
今が一番、幸せ。

本当に、幸せ。

「梓ちゃん・・・!」

「・・・『梓』で良いよ?」

蓮くんは私の方を見て、美しく微笑んだ。
・・・一瞬で溶かされた。





「・・・梓」





その声が聞きたくて、いつもそばにいた。

『あっちゃん!!こっちこっち!!』

『待ってれーくんっ』

『手、つないで行こっ!』

『・・・うんっ!!』



そう、いつも。



「蓮・・・」

「やっと、抱きしめられた・・・」

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