小指心
俺は南朋と裏庭に行った、俺は南朋の表情からしてなんの話をされるか大抵分かっていた。

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「ナルシストじゃん」

「話を途中で止めるなよっ!!」

「で?南朋ちゃんはなんて?」

「・・・南朋は皆さんのご察し通り」

―――――――――――

「好きですっ!!よかったら付き合って!」

やっぱりな。
こういうのは珍しい方じゃなかったから分かる。

「うーん・・・」

俺は困った。
確かに南朋は人柄も良いって噂だし、顔もブサイクじゃない。

ていうより美人の方に入る。

だけど俺の好みではなかった、なんつーか・・・
話が合うヤツが良い。
いや別に南朋と話が合わない訳じゃ・・・あるか?

「え・・・」

なぜか南朋は下を向きしょんぼりしている。
多分俺が迷っている様子を見せたからだろう、察しはつく。

ふと俺は隣の窓に向いた、ココは学校の廊下の隣だから誰にでもこの瞬間を見られてしまう。

・・・そこにはいつもお団子で有名な信条・梓が、髪をたらして一人で歩いていた。
しかも、こっちに気付いていない。

ただただ凛々しく廊下を歩いている、その容姿に俺は心を貫かれた。

「・・・はい」

意味が分からない。

たった今、綺麗な梓を見つけて一目惚れしたばかりだというのに。
告白を断れば梓とも付き合えたかもしれないのに、チャンスがあったのに。

自らそれを断ち切った。

本当にバカな事をしたもんだ。

「っえ・・・本当?」

頬を赤らめて俺に聞いてきた、今の答えを取り消したい。
・・・もう遅いけど。


「本当」


「っ・・・!!」

「ぇ、おいっ」

南朋は泣いていた、それほど嬉しかったのだろうか。

「ほれ、ハンカチ」

「ぁ、ありがとう・・・ひっく・・・」

涙を拭いて俺に返した、頭の中は梓の事ばかり。
結構・・・これはヤバいかも。

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