小指心
「とりあえず、クラスに戻ろう」

「う、うん・・・」

―――――――――――

「ぅわおっ!!一馬さんは一目惚れだったのかっ!!」

「あぁ、もうキュン死だよ?」

「いやいやいや、キュン死って!!///」

「で、その後どうなったら姉ちゃんと付き合うことになったの?」

―――――――――――

南朋と付き合ってからすでに半年が経った。
だんだん南朋とも打ち解けたころ、ある日俺のクラスの女子が南朋の事を話していた。

「ねー・・・私見ちゃったんだよね、南朋ちゃんが・・・浮気してるところ」

はっ?
・・・南朋が浮気っ!?

俺は耳を疑った、南朋が浮気?
そんな事をする様なヤツじゃない、半年付き合っているがまだケンカすらしたことない。
しばらく俺は耳をとがらせて聞いた。

「ぇえっ!?浮気っ!?」

「ちょっ、聞こえるっ!!」

残念ながら、もう聞こえてます。

「ゴ、ゴメン。え、で浮気って?」

「昨日さぁ、塾の帰り、目の前に南朋ちゃんが知らない人とチューしてるの・・・見ちゃった」

「それで?」

「「!!!一馬くんっ!?」」

「続きを聞かせてくれる」

「あ、え、えっとそれで隣の男の人が『そんなヤツと付き合ってないで俺と付き合えよ』・・・って」

・・・嘘だろ。

「で、そしたら南朋ちゃんが『別に付き合ってないしね』とか言って・・・私、本当に信じれなくて走って帰ってきちゃったの」

ガタッ

俺は驚きのあまりクラスから出て行った。


「・・・マジかよ」


こんなんなら、断るべきだったな。

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