小指心
ランチタイム―――――

「様乃、これ見てよ」

私はあの紙切れを様乃に渡した、お弁当を食べながら読んでいる。
急に目が点になった。

「なにこれ・・・誰から?」

「南朋から、授業の始めに貰った。ありがたいね」

「つか、なにを返すって?」

「いや、それがさぁ・・・全く私も分からないんだよね」

本当に、なにを返すっていうんだ。
私は考えに考えた、けどやっぱりなにも思いつかない。

「・・・なんだろうねぇ」

「う~ん、わかんない」

私達はお弁当を食べ終え、次の授業に移った。

―――――――――――

梓、なにしてんだろうな。
俺は友達の竹山と屋上で弁当を共にしていた。

「なぁ、あの小山ってやつお前の知り合い?」

「まぁ・・・梓の幼馴染だって」

「へー、感じ良さそうだよな」

「そうだな・・・」

俺にとっちゃどうでも良いんだけど。
そうこう話していると急に竹山が驚くような事を教えてくれた。

「あ、そういやさぁ。南朋ってやつ、違うクラスに転校してたけど」

「あぁ、それが?」


「アイツ、小山のことを彼氏にするっつってたぜ」


―――――――――――

キーンコーンカーンコーン

私は上履きをローファーに履き替え、ドアを開けた。
すると、目の前に南朋がいるのに気付いた。

「梓さん、ちょっと良い?」

「・・・良いよ」

一体なんだっていうんだ。
けんかでも売るつもりなのだろうか、まぁ売られたら買うけど。
私は南朋について行くと裏庭に着いた。

「話っていうのは?」

私は早く帰りたくて南朋に聞いた。

「そう、その事なんだけね」

何言われても絶対驚くもんか、変な事言ったら逃げてやる。
私は何気なく戦闘体勢にはいった。
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