小指心
・・・あらまー、とっても変な誤解してますねーこの人。
誤解にも程がありすぎて、聞いてて面白く感じるよ。

―――――なんてね、へどが出る。

「しかもまだ好きなんだってねー」

うっわウザ、南朋もウザいけど南朋の誤解も相当ウザい。
私的にウザさ120%超えました。

「・・・それ、大きな誤解」

「はぁ?」

「確かに、私と蓮くんは君が言う『とっても仲良し』な幼馴染だけど、でも付き合ってない。ましてやまだ好きだなんて」

これでも信じなかったら無視して帰るからな、本当にもう。

「ふーん・・・でもね、はっきり言って、どうでも良いんだよね」

うん、帰るか。



「だって別に私、好きで小山くんと付き合うわけじゃないから」



「は」

南朋は自分の手をいじりながら話を進めた。

「一馬を取り返すための作戦だしね、まぁ教えちゃった以上、作戦とは呼ばないけどさ」

意味不明、この人と話してても言葉が通じない。
私はその場から去った。

「え、ちょっと話はまだ終わってないんだけど」

「私は終わったから」

「なにそれ、逃げるつもり?あそっか、今に自分の彼氏と大事な幼馴染が取られちゃうから怖いんだ」


「・・・勝手に言ってれば?あんたといると吐き気がする」


―――――――――――

「ねぇ、小山くん。話があるんだけど、良いかな?」

僕は見知らぬ子に呼びかけられた、小柄で可愛い子だ。
でもなんだか・・・僕は苦手だな。

「うん、なにかな」

「ちょっと来て」

僕はその子についていった、急に話してくるから少しびっくりした。

「私、梓と同じクラスの南朋っていうの。よろしくね」

「え、梓ちゃんを知ってるの?」

「うん」

そっか、クラスメイトか。
なんだか安心した、すると僕らは階段を上がり南朋ちゃんはドアを開けた。

・・・屋上かぁ、そういや久しぶりだな。

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