小指心

嫌なスピード感

「私と付き合ってくれる?」

さぁ、おかしな質問が急に飛んできた。
え、なんですか?

「ん、え?」

急すぎでしょ、二人は転校してきたばっかで初対面で。
いろいろ・・・とにかく頭に浮かんだ答えは―――――


 小指心
  嫌なスピード感


「ごめんなさい」

これが当たり前の答えでしょ。

「・・・断るんですか」

「はい」

南朋ちゃんは、いや『さん』は不機嫌そうだ、まぁ・・・気持ちは分かる。
けど。

「僕が断ったのは、僕らがさっき会ったばかりで何もお互い知らない。適当な付き合いなんて僕はしたくないし、お互いのためです」

そういうと、南朋さんは・・・にやりと不気味に笑った。
一体今度はなんだ。

「じゃあ、蓮くん。本当にお互いのことを思って断るっていうなら―――――

「・・・?」



「信条・梓をいじめちゃうよ?」



―――――――――――

「っ!!?なに言って―――――」

「いいから黙って、私と付き合って」

「!!?」

なんだこいつ、急に豹変した。
威圧的なものを僕は感じ取った、凄く・・・怖い。

「簡単に言うわ、私とつきあえばみんな幸せ。断れば、梓はボコボコ。どうする?」

さらっとそんな事を言いいやがって、どういうつもりだっ!?

「なんで梓ちゃんを標的にするっ」

「ちょっと恨みがあるのよ、大昔にね」

僕は悩みに悩んだ、唇を噛み締め―――――一番良い答えに辿り着いた。



「―――――っ・・・分かった」



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