小指心
はぁ・・・馬鹿馬鹿しい、一体なに考えてんだ南朋。

「蓮くん、今すぐ南朋と別れて。私のことは気にしないでさ」

「・・・は?」

うわぁー、蓮くん今にも目から鱗だしそうだよ。

「ちょっ、なに言ってんの?別れたら梓ちゃん、いじめられるんだよっ?」

「そういう経験は少ししたことあるから、大丈夫」

私は笑いながら蓮くんに言った、絶対大丈夫だって。
とにかく無我夢中で私はノートに書きまくった。

グイッ


「え」


蓮くんの手が私の腕を掴み、私を引っ張った。
顔が急に近くなる。


「絶対ダメ」



その台詞と声と表情とこの状況は反則だろう。
だけど、こんな恥ずかしいことも慣れてしまったのだろうか。
あんまり過剰反応はしないようなった。

「僕がさせません」

・・・蓮くんの周りにバラがフレームで見えた。
すごい、蓮くんホストになれる。

「わーキザー」

「ぇえっ!?指摘するところが違うと思うよっ!?」

「だって今の、私と蓮くんの仲で過去最高にキザなシーンだったんだもん」

「止めてよ・・・今はそういう場合じゃないんだから・・・」

お、なんか敬語がなくなってきた。
少し蓮くんとの壁にヒビが出来た、完璧に無くなる日は近い。

「梓ちゃん、話を戻しますけど絶対ダメです」

「なんでー?」

「これ、面白半分で見てたら思いっきりやられますよ」

蓮くんはそういうのを見極める目がある、けど私も助けたい。

「でも・・・」

「ここらへんは僕にまかせて」
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