小指心
ドクンッ


『ここらへんは僕にまかせて』


「あぁ〜もぉ〜・・・」

「え、どうかした?」

なんでそう天然なのかなぁ・・・
そういうキザなヤツって私、大好き。

でも一馬もキザの中のキザだけど、あれはなんかホストの領域に入ってるよ。
普通に歌舞伎町の女性方、目が合っただけでおとせるって。

「蓮くんって、将来ホストとか結婚詐欺師に向いてるよね」

・・・あれ、キャラ作ってんのかな?

―――――――――――

「うっわもうこんな時間、帰らなきゃ」

「ホントだ、送るよ」

「いや、良い良い。親にバレない様に帰るから、じゃあねっ」

私は玄関まで走った、適当にローファーをスリッパみたいに履いて。
靴のかかとだけ潰れている。

「じゃあまた明日ね梓ちゃんっ」

「あ、うんじゃあね!」

バタン

「ふー、今日はキザだったなー」

あんなかっこいい蓮くんは久々にみたなー・・・
目の保養になっちゃった。

「明日がどうなることやら・・・」

私は静かにドアを開けた。
抜け足、差し足、忍び足。

・・・なんとか部屋に辿り着いた、セーフ。


ピピッ


ナイスタイミング、これが聞こえてたら秒殺だったろうな。

『新着メール受信一件』

知らないアドレスからだ、メルアドは・・・

『pinkynao_0317@hardbank.ne.jp』

ピンキーナオ?・・・なお?
待てよ・・・まさか、南朋・・・?
私のメアドを知ってるはずは・・・
でも、いかにも南朋っぽいウザカワなメアドだ。
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