小指心
第三章

作戦実行

「おはよー梓っ」

「あ、信条っ」

「っはよー信条」

「あっちゃん!おっはー!」

「おはよう梓さんっ」

大抵みんなと仲良くしていた生活、なんのストレスもなくて楽しかった。
これが変わるとなると、結構・・・辛い。


 小指心
  作戦実行


「みんなおはよっ!」

今日もひとまず変わりなく良い朝を迎えた。
先生も友達もみんな私に笑顔で答えてくれた。

ひとまず安心。

「あ、蓮くん!おはようっ」

「おはよ」

ここの仲も何気に順調でいい感じ。
南朋に負けてられないし、今年のプチ目標は『全生徒を自分の味方に』でいきます。
味方っていうか、友達で。

「小山くぅーん、待ってー!」

蓮くんと話していたら南朋が走ってきた、すっかり忘れてた。
もう主人公とも言えるね、悪役女優大賞でも獲れるよ。

「ちょっと、『私』の小山くんから離れてくれない?」

「んなっ!」

なにこの『私はいかにも小山くんの彼女』みたいな。
しかも私とは初対面で通すつもりっぽいし・・・

昔の記憶をみんなから抹消させる気だな。

「そんな性格じゃ彼氏さんにも嫌われるんじゃないの?『彼女』さん」

いい気分。
でも、あんまり皮肉として言えるネタがそんなになかったから焦った。

「自分だって、小山くんばっか見てて自分の彼氏さんを見落としてるんじゃない?」

ズバッ

「そんなんだと、『誰か』に獲られちゃいますよ〜?小山くん行こっ」

そう言い残して南朋は蓮くんと一緒に登校してしまった。

「自分、惨めだなー・・・(泣)」
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