小指心
どうしよう、これじゃあ喧嘩なんて・・・

「おらぁっ!!」

「ぎょわぁっ!!」

私は反射神経でつい目をつぶってしまった。
なに目ぇつぶってんだよ私っ・・・!!



ピピピピッーー!!!



急に甲高い笛の音が聞こえた、あまりにも急で耳の鼓膜が破れそうになった。

「やべぇっ!鬼先じゃんっ!!」

「逃げろっ!!」

お、鬼先・・・
ラッキー、本当に危ないところに良く来てくれたよ。

「こらお前らっ!!逃げるんじゃないっ!!」

鬼先はそういうとこっちに走って来て一人確保した。
私はそれをみてなんだか安心して大きなため息をしてしまった。

こ、怖かったぁ・・・

「おい梓に一馬っ!!お前ら大丈夫かっ!!?」

「あ、はいっ私は大丈夫なんですけど一馬くんが膝にかすり傷を・・・」

「おいおい・・・お前ら一体なにがどうしたんだっ!!」

「ちょっといざこざがありまして・・・それより一馬のかすり傷がっ」

私は先生にずっと一馬のかすり傷のことを言った。
やっと鬼先はそれに気付きポケットから一枚のバンドエードを取り出した。

「気にしないで下さい・・・こんなかすり傷、ほっとけばその内治りますから」

「何言ってる!こんなかすり傷でも怪我は怪我だっ!!保健室に戻って坂末先生に治してもらいなさいっ!!梓っ、一馬と一緒に行って来い!話はその後だっ」

「はいっ」

私は一馬の手をとり起こして上げた。
げー、結局鬼先に話に行かなきゃいけないのかぁ・・・
ったく、めんどくさいなぁ。

つか、これで保健室行くの連続二度目なんですけど。

―――――――――――



保健室―――――


ガラッ


セーフ・・・幸いまだ千佳先生がいた。
私の時はいないのになんで他の人の時だといるんだ?

「おー信条!さっきからよく見かけるけど、今度はなんだ?」

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