小指心
「一馬が膝にかすり傷を・・・それで」

「あー、かすり傷ね。こんなもん、男なんだから放っておけば自然に治るのに」

千佳先生は棚から救急箱を取り出した。

「っつ」

「おいおい、これぐらい我慢しろー」

消毒液を一馬の膝にかけてコットンで拭いた、やっぱり先生だから手際が良い・・・
昔、私もかすり傷を作って保健室で(先生がいなかったから自分で)処置をしたんだけど・・・それがめっちゃ痛くてパニック起こしたっけ(普通ではありえない状況)。

「よしっ、終了」

「ありがとうございました」

「どうも」

―――――――――――

「ねぇ、やっぱ話にいかないといけないのかなぁ・・・」

「俺テキトーに話終わらせる」

「うん、そうしよ」


ガラッ


職員室

そこには色んな先生達がコーヒーを飲んだり仕事をしたりしていた。
こんな場所で話すのかよーい!

「おー来たか、一馬かすり傷は大丈夫か?」

「はい」

「じゃあ、ココじゃなんだからあっちの個室で話すか」

しかも『個室』、緊張がMAXに達するよ・・・(汗)

―――――――――――


個室部屋


「―――――で、お前らは一体校庭でなにをしとったんだ」

「いや、なにって大した事じゃないんですけど・・・上級生のサッカー部員達とケンカしてました(笑)」

大した事ぉー!!

「それで、どうしたらおれほどの大惨事になるんだ。ほとんどの生徒達が気絶(失神も)していたぞ」

「いや、それは私がちょっと・・・(とても言えない)」

「あ、そうそう。梓さんが最初、先輩達になんか絡まれて俺がそれに気づいてそっちに言ったら他の部員達もついて来たんですよ。それで梓さんがブチきれて、まずその先輩達とケンカに」

なんだか綺麗に説明してるように聞こえるけど・・・言ってる事は強烈だぁ・・・!!

「・・・で、いろいろあって次はサッカー部員の先輩が一馬くんに絡んできて・・・」

「ここにいたった、と」

「「はい」」

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