小指心

しばらくして、私が落ち着くと一馬に電話してみることにした。

一馬は未だにこの状況のことは知らない。
だから今から電話で全部を話すことになる。

でも、上手く話せるだろうか。
一馬はこのことを・・・受け止めてくれるだろうか。

通話ボタンを押すのが怖くなってきた。


「大丈夫・・・大丈夫・・・ふぅー・・・」


―――――ッピ

プルルルルルルルルプルルルルルルルルル


電話に出ない間、私の胸は高鳴るばかり。
途中で切ろうかとも思った。


ガチヤッ


『もしもし?梓?』

「あ、一馬・・・」

『どうした?』


・・・電話じゃやっぱ上手く通じない気がして、私は外に呼ぶ事にした。


「あの、今から外で会えない・・・?」

―――――――――――


「あ、一馬」

三分ほど待っていると一馬が公園にやってきた。
うっわぁ~・・・緊張してきくる。

「梓、イキナリどうした。呼び出してくるなんて」

「うん、それが・・・ちょっと、言いにくい事なんだけど・・・」

私は下を向いてモジモジしてしまった。
これじゃあもっとまともに話せなーい!!!(泣)

「ま、まさか梓・・・!!」

「ま、まさかって一馬・・・知ってるのっ!?」

うそっ・・・!?
だとしたらやっぱり南朋から聞いたんじゃ・・・?!!



「お、俺と別れて違う奴と付き合うとか・・・!!?」



「・・・は」

「そんで『ゴメン・・・私、やっぱり一馬とは友達でいて・・・?』とかなんとかっ!!(ある意味混乱)」


別にそんな事を言いに来たわけじゃありません。
逆にそれよりずっと深刻なことを話にきた(ヒドイッ!!←一馬)



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