小指心
「ていうか、そんなに信頼してない?」

そんな訳無いじゃん、一馬のことは本当に本当に、心の底から・・・

「信頼してない」

「えええええっ!!?Σ(゚д゚ノ;)ノ」

「本当に、なにを考えているんだか」

「てかそれ、普通のカップルとして自分の彼氏に信頼がないってヤバいよねっ?!!ねぇ、それってヤバいよねぇっ?!!(半泣き)」

「うそうそ、大丈夫。ちゃんと信頼してるよ(ニコッ)」

とりあえず私は半泣き状態の一馬の頭をなでてやった。
でも、本当に護衛なんていてくれるとは・・・


「・・・一馬」

「ん?」

私が一馬を呼ぶと、私の肩に腕をまわしてきた。

「一馬、本当に。本当に私の護衛、してくれるの?」

「本当だって。ぇ、俺ってマジで信頼ない・・・の?(また半泣き)」

「いやいやいや、あるあるっ!!ちゃんとあるよっ!」

「そ、そっか(少し安心)」



「・・・」



コテン・・・

「!」

一馬は私の肩によりかかった、髪は・・・やっぱり柔らかい。
私も一馬のように腕を肩にまわした。

「・・・」

一生、このままでいたら良いのに。
なんて一瞬思ってしまって、まだ明日という日があるのを忘れていた。
でも・・・明日なんか通り越して、またこうしてる日にスキップすればいい。

変な不安はいつも一馬が吹き飛ばしてくれて、私はいつも一馬の魔法にかかるんだ。

たまには私も魔法をかけてあげるけど、一馬よりは強くない。
だから、少し欲張りだけど、私は『かける側』ではなくて『かけられる側』。

多分この位置が一番、私達にとって心地の良い場所なんだろう。

どんなに辛い時も、苦しい時も、二人一緒にいれば魔法も倍増。
嬉しさも、達成感も、幸せも。


自由さえも、僕らのものになってしまうさ。


・・・だから。


「・・・梓」

「ん~・・・?」



「・・・好き」



―――――私達は運命共同体。
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