小指心
あ、やっと気付いた。

「うっわ・・・いや、えと梓ちゃん。ちょっと話があるんだけど良い?」

『うっわ』って、『うっわ』って(泣)

「良いよー(泣)」

どうせ次は自習だし、私は蓮くんについていった。
チラっと横顔を見てみると、なんか・・・怒ってるっぽい?

―――――――――――

私達はひたすら、ずっと廊下の奥の奥の奥まで行き、やっと誰もいなくなったところで蓮くんは動きを止めた。


「・・・梓ちゃん」

「はい(緊張のあまりに正しく返事をしてしまった)」

「僕、南朋さんと別れた」

「あぁ、うん。知ってる」

「ぇ、またっ?!!」

「いやいや、別に私エスパーでもなんでもないから」

なんだか蓮くん、驚きすぎて手をめっちゃ縦にふってる。
どうしたクールビューティー小山・蓮よ。

「いや、でもなんでっ?!!(汗)」

「南朋からメールがくるんだよね、いつも」

「ぇえっ??!」

「いや、ホントびっくりだよね(笑)」

「しかも全然そこ笑うところじゃないよっ?!」

・・・良いもーん、別に笑いのツボが人より変だって。
別に人生には支障が出ないから良いもーん。

「・・・それより、あの写真を見るかぎり」

「いじめられております」

蓮くんは大きなため息をついた、そりゃ私の方がため息つきてーっちゅうの。

「これには訳があるんだ」

ほう・・・聞かせていただきましょうか。
その、『理由』っての。(怖)



「とりあえず、一回南朋さんと別れてみて様子を見てみる」



・・・んん?

「なにそれ、私はおとり?」

「いや、まぁ・・・そうとも言う」

ぇ、なんやねん。
それって南朋の思うツボやんけー。
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