小指心
「ねー、なんかあんまり・・・てか、もしかして私ってすっごく深刻に悩んでたにも関わらず・・・いじめられていない?」

「そーいえば、そうだね。意外と安心?」

「いや、安心っつーと安心だけどまだまだ油断は禁物です」

「警戒しまくりだねー、キレた猫みたい。こう、『フーッ!!』みたいな」

「うわ、今の似てた」

「そうなの、なんか私動物系はモノマネうまいんだよねー」

「えっ、そうなの?あ、じゃあさ・・・うさぎのモノマネ、してみてっ」

「ウサギっ?!またマニアックなの出てきたなー・・・」

「良いじゃん良いじゃん、サボりを誘ってあげたお礼ということで」



・・・そう、私達は今屋上にいます。
いじめのことなんてこのさいどうでも良いって感じ。
しかもなんだか急にモノマネ大会になってるし、何気に凄い盛り上がってきてるし。



「・・・(只今ウサギのモノマネ中)」

「・・・ぶはっ!!なにそれっ、超似てるんだけどっ!!(爆笑)」

「でしょっ?!ヤバいよね私っ!」

「もう、なんか神業だってそれっ!!あははっ!(泣)」

神業神業ぁー。
・・・って、あの蓮くんのことが気になって気になって神業どころじゃないんですよ正直言うと。

「あははは・・・はぁー・・・気分悪・・・」

「ちょっと、せっかく私が次にネズミのモノマネをしてあげようと思ったのに。どうしてこう、テンションがいきなり低くなるかなぁ?」

「いやちょっと、なんで蓮くんが別れたかの理由がいまだに分かっていないことにイラつきを憶えましてね・・・」

「うっを怖ぇ」

「酷」

つーか一馬はなにをしているんだろう。

「なーんか、この頃さぁ一馬にあんまり会ってないなぁ」

「それは無いでしょう、ましてや同じ学校なのに会わないなんて」

「うーん・・・」

これはカポーの間で有名なマンネリと言うものなのか?(違う)

「これってかなり、彼氏彼女として・・・ヤバめな関係にいつつ・・・ある?」

「ある」

私は猫背でさっきの蓮くんの様に大きなため息をついた。
・・・はぁ。
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